犬の口臭の原因と注意すべきサイン、お手入れ方法

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明るいリビングでゴールデンレトリーバーを抱きしめる人

要点 犬の口臭が続く場合、その多くは口の中から始まります。プラークや歯石が歯ぐきを刺激し、歯周病につながることがあります。また、歯が折れている、口の中に食べ物や異物が挟まっている、口腔内に腫瘤があるといった原因のほか、まれに体の別の場所の病気が関係していることもあります。においだけでは、どの原因によるものかは判断できません。このガイドを参考に変化に気づき、無理のない毎日のケアを始め、動物病院で診てもらうべきタイミングを判断しましょう。

食後にかすかに食べ物のにおいがするのと、新しく強いにおいがする、またはにおいが続くのとでは意味が異なります。口臭をその子の個性だと片づけない一方で、においの説明だけで病気を判断しようとしてはいけません。口の中を確認すると、獣医師に伝えるのに役立つ情報を集められます。歯ぐきの下の病気や痛み、折れた歯、口の中以外にある原因を調べるには、獣医師による診察が必要です。

犬の口臭から考えられること

最も一般的な原因は、プラークに関連する歯の病気です。プラークは歯の表面にできる柔らかな細菌の膜です。ミネラルが付着すると硬い歯石(歯垢)が形成されます。歯石は表面をざらつかせ、さらにプラークがたまりやすくなります。また、細菌や炎症は歯ぐきや歯を支える組織に影響を及ぼします。 Merck Veterinary Manualでは 、歯肉炎によって歯ぐきが赤色や紫色になったり、口臭が生じたりする一方、歯周炎は歯を支える組織を損ない、歯を失う原因になることが説明されています。

そのほか、歯の亀裂や破折、歯の根元の感染、歯と歯の間に挟まった食べ物や植物のかけら、けが、口腔内のできものなども考えられます。非常に特徴的なにおいがする場合や、口の中をきれいにしても異常なにおいが続く場合は、獣医師が腎臓病や糖尿病など、体の別の場所にある病気を検討することがあります。いずれも可能性であり、確定的な結論ではありません。口臭だけで、口腔検査や血液検査、尿検査など、愛犬に必要な検査の代わりにすることはできません。

歯ぐきの近くに歯石が見える、犬の歯と歯ぐきのクローズアップ
目に見える歯石や歯ぐきの変化は、獣医師に伝えるうえで役立ちますが、歯ぐきの下にある部分の状態まではわかりません。

犬の正常な口臭と、受診を考えるべきサイン

口臭が安全かどうかを自宅で確実に判断できるにおいのテストはありません。その代わり、普段のにおいを基準に、においの変化や食欲、食べ方、行動の変化を比べてみましょう。においの強いものを食べた後の一時的なにおいは、自然に消えることがあります。一方、嫌なにおいが続く場合は、口の中に目に見える変化がなくても注意が必要です。

  • 通常の診察を予約しましょう: 口臭が続く、歯みがきの後すぐに再発する、黄色や茶色の歯石、赤い歯ぐき、よだれ、食べ方の変化、食べ物をこぼすといった症状がある。
  • 早めに受診しましょう: 口を前足で気にする、頭を触られるのを嫌がる、唾液に血が混じる、楽に噛めない、歯がぐらついている・折れている、目の下やあご沿い、口の周りが腫れている。
  • すぐに動物病院へ相談しましょう: 呼吸や飲み込みがしづらい、出血がひどい、意識を失う、顔がひどく腫れている、繰り返し吐く、著しく元気がない、または鋭利なもの、骨、おもちゃの破片、薬品などを飲み込んだ可能性がある。

犬は口の中が痛くても食べ続けることがあるため、食欲が普段どおりでも歯の病気を否定することはできません。 AAHAの歯科ケア概要では 、口臭、よだれ、歯の変色、赤く腫れた歯ぐき、食べ物をこぼす、片側だけで噛む、顔の腫れなどが、歯の状態について獣医師に相談すべきサインとして挙げられています。

口を無理に開けずに確認したいサイン

落ち着いている時間を選び、愛犬が離れたがったら追わないでください。愛犬の上に覆いかぶさるのではなく横に座り、唇を片側だけそっと持ち上げ、嫌がらない範囲で確認します。ここで行うのは観察であり、歯石を削ったり、痛みを確かめたりすることではありません。

  1. 歯ぐきの色と縁を見ます。 赤み、腫れ、出血、歯ぐきが下がっている状態、ただれ、左右どちらか一方だけの変化がないか確認します。
  2. 歯の外側を見ます。 黄色や茶色の硬い付着物は、薄く柔らかな膜とは異なります。特に、頬側にある奥歯は汚れがたまりやすいため、注意して見てください。
  3. 食べ方や口の動きを確認します。 よだれ、口を前足で気にする、頭を振る、食べ物をこぼす、片側だけで噛む、好きな噛むおもちゃを嫌がる、柔らかくした食べ物を好むといった変化を記録しましょう。
  4. 新しく現れた局所的な変化を確認します。 腫れ、特定の場所からする嫌なにおい、歯の欠損や破折、歯と歯の間に挟まったものがある場合は、自宅で引っ張り出そうとせず、診察を受けてください。
  5. いつからかを記録します。 においが始まった時期、常に続いているかどうか、何を食べたり噛んだりしたか、食欲や元気に変化があるかを記録しましょう。噛み方に新しい変化がある場合は、短い動画を撮っておくと獣医師の参考になります。

愛犬が嫌がる、鳴く、噛もうとする、痛がる様子を見せる場合は中止してください。あごを無理にこじ開けたり、怖がっている犬の歯の奥に指を入れたりしてはいけません。やさしく確認することさえ難しい場合、それは無理に調べる理由ではなく、動物病院のスタッフに伝えるべき大切な情報です。

プラークが歯の病気になるまで

歯みがきは、プラークが硬くなる前に取り除くためのケアです。できてしまった歯石を取り除いたり、歯ぐきの下の組織が健康だと証明したりするものではありません。炎症が続くと、歯ぐきが歯から離れてポケットができ、汚れや細菌が届きにくい場所にたまります。進行した歯周病は、歯を支えている組織や骨に影響を及ぼすことがあります。

口の中には多くの歯とさまざまな面があるため、前歯をさっと見るだけでは、奥にある病気を見逃すことがあります。小型犬や短頭種、歯が密集している犬、高齢の犬、過去に歯の病気になったことがある犬には、より個別に考えた予防プランが必要になる場合があります。リスク要因はケアの考え方を変える材料にはなりますが、写真やにおいだけで病気の段階を判断することはできません。

自宅でのケアについて詳しく知りたい方は、 犬の歯のケアガイドもご覧ください。ただし、このガイドは、かかりつけの獣医師による診察やアドバイスに代わるものではありません。

無理なく続けられる自宅でのデンタルケアを始める

歯垢はすぐに再び付着するため、毎日の歯みがきを目標にするのが現実的です。毎日行うのがまだ難しい場合は、落ち着いて繰り返せる習慣をつくり、少しずつ定期的なケアを目指しましょう。大切なのは、力ずくで押さえつけることではなく、愛犬の協力を得ながら歯垢を取り除くことです。

  1. まずは犬用歯みがきペーストの味に慣らしましょう。 指に犬用歯みがきペーストを少量つけ、愛犬になめさせます。必ず犬用と表示された製品だけを使ってください。人間用の歯みがき粉やマウスウォッシュには、飲み込むと犬に危険な成分が含まれていることがあります。
  2. 歯ブラシを使う前に、まず触れることから始めます。 頬の外側に短時間触れ、唇を少し持ち上げて1秒ほど確認します。落ち着いていられたらほめて、そこでやめましょう。これを何回かに分けて繰り返します。
  3. やわらかい歯ブラシに慣らします。 ペット用歯ブラシ、または獣医師から勧められた毛先のやわらかいブラシを使います。最初は、外側にある数本の歯の表面だけをみがきましょう。
  4. 短時間で行いましょう。 愛犬がリラックスしていられるようなら、少しずつみがく歯を増やします。頬側の歯の表面と歯ぐきの境目は大切ですが、痛みや炎症のある口を無理にみがかないでください。
  5. 無理なく一定のペースで続けます。 たまに長時間行うよりも、短く楽しいケアを継続するほうが効果的です。ほめたり、一緒に遊んだり、適切なごほうびをあげたりして、ケアを終えましょう。
自宅で落ち着いてケアを受けながら、犬の歯をやさしくみがく人
やわらかい歯ブラシは少しずつ慣らし、歯ぐきが痛そうに見えたり、愛犬がリラックスできなかったりする場合は中止してください。

歯ぐきがすでにひどく赤く腫れていたり、出血していたりする場合は、歯みがきを始める前に獣医師へ相談してください。炎症のある組織をみがくと痛みを与え、今後のケアを嫌がるようになることがあります。まずは獣医師による診察が必要な場合もあります。

デンタルガムやおもちゃ、VOHC認証マークについて

かむことはデンタルケアの一部になりますが、デンタルガムだけで歯みがきや獣医師による診察の代わりにはなりません。最新の情報は 米国獣医口腔衛生協議会(VOHC)の認証製品リスト で確認できます。このリストには、歯垢や歯石に関する表示について認証マークを取得した製品が掲載されています。「デンタル」「フレッシュ」「ナチュラル」といった表現だけで効果があると判断せず、最新のリストと製品ラベルを確認しましょう。

愛犬に合ったサイズを選び、ラベルの指示に従ってください。特に初めて与える場合は、最初の数回は様子を見守りましょう。破片が取れた場合や、飲み込めるほど小さくなった場合、愛犬が丸飲みしようとする場合は取り上げてください。布、発泡素材、木、骨、角、非常に硬いナイロン、壊れたおもちゃの部品は、歯を傷つけたり異物になったりすることがあります。また、 AAHAの自宅で使う製品に関するガイドライン でも、不適切なかむおもちゃは歯を傷めるおそれがあると注意しています。

当店の Monster Chew Dental Dog Toy は、見守りながら使えるかむおもちゃの一例です。商品情報では、かむことが好きな中型犬から大型犬向けに、トリーツを入れて使える、表面に凹凸のある約5 by 3 inchesの形状と説明されています。愛犬の口の大きさやかみ方に合うかを確認し、使用中は見守ってください。トリーツを使った後はすすぎ、ひび割れや欠けた部分がないか点検しましょう。傷みが見られたら交換してください。これは遊びやかむ楽しさを提供するアイテムであり、歯科治療、歯をきれいにすることの保証、歯みがきの代わりになるものではありません。

犬の口臭対策で使ってはいけないもの

  • 人間用の歯みがき粉、マウスウォッシュ、ブレススプレー、薬は使わないでください。 犬は口に入れたものを飲み込んでしまうため、人間用の製品には犬にとって危険な成分が含まれていることがあります。
  • 家庭用の道具で歯石を削らないでください。 歯ぐきを傷つけるだけでなく、歯ぐきの下にある病気には対処できません。
  • 精油、酢、にんにく、重曹、または効果が確認されていない民間療法に頼らないでください。 においを隠すことと、原因を見つけることは同じではありません。また、成分によってはペットを刺激したり、中毒を起こしたりすることがあります。
  • 歯をきれいにするために、石のように硬いものを与えないでください。 硬いおやつやおもちゃで歯が折れることがあります。愛犬の体格、年齢、かみ合わせ、かみ方に合った、より安全な選択肢について獣医師に相談しましょう。
  • デンタルガムでひどい歯石まで取れるとは考えないでください。 硬くなった歯石や歯ぐきの下にある病気には、専門家による診察が必要です。

専門的な歯科ケアが必要なとき

獣医師は口の中全体を確認し、痛みについて説明したうえで、専門的な歯科処置が適切かどうかを判断できます。詳しい検査や処置には、麻酔、歯周ポケットの測定、歯科用レントゲン、歯ぐきの下の歯石除去、研磨、治療、抜歯などが必要になる場合があります。治療方針は、愛犬の健康状態、年齢、口の中の状態、診察結果によって異なります。

歯科用器具を使って犬の歯を診察する獣医療チーム
獣医師による歯科診察では、意識がある状態で自宅から確認するだけでは見えない部分も調べられます。

動物病院が麻酔のリスクをどのように評価し、動物の状態を監視し、歯科レントゲンを使用し、所見を説明しているのかを確認しましょう。「無麻酔」で行う歯石除去は、同じような診察やレントゲン検査、歯ぐきの下の処置を安全に行えるわけではないため、獣医師による総合的な歯科処置と同じものではありません。 AAHAの無麻酔歯科処置に関する指針では こうした限界について説明されています。

高齢犬、小型犬、短頭種、糖尿病や腎臓に関する問題がある犬、薬を服用している犬では、より慎重な計画が必要になることがあります。ただし、それだけで麻酔が自動的に危険になるわけでも、必ず必要になるわけでもありません。獣医師は、その犬の病歴、診察結果、検査内容、麻酔中の監視体制、期待できるメリットを総合的に考慮して判断します。

様子を見ずに受診したい症状

口臭の変化に加えて、次のような症状がある場合は、早めに獣医師へ相談してください。

  • 顔の腫れ、しこり、開いた傷、または目の下の腫れ
  • 唾液に血が混じる、何度もよだれを垂らす、口を前足で気にする、明らかに痛がる
  • 歯がぐらついている、抜けている、折れている、または変色している
  • 噛む、飲み込む、呼吸する、食べ物を口にくわえることが難しい
  • 食事を拒む、繰り返し吐く、著しく元気がない、倒れる、または行動に大きな変化がある
  • 骨、おもちゃの破片、とがった物、薬品、薬などを口にした可能性がある

甘い、またはフルーツのようなにおいの口臭に、嘔吐、元気消失、脱水、速い呼吸や苦しそうな呼吸が伴う場合は、緊急性があることがあります。体調不良とともにアンモニアのようなにおいがする場合も、早急な診察が必要になることがあります。こうしたにおいだけで、糖尿病や腎臓病などの病気を特定することはできません。においの変化を待って様子を見るのではなく、獣医師または救急対応の動物病院に連絡し、すぐに相談してください。

よくある質問

犬の口臭が急にひどくなったのはなぜ?

食べ物が原因で一時的ににおうこともありますが、口の中に物が挟まっている、歯が折れている、歯に感染がある、けがをしている、または別の病気がある可能性もあります。犬が嫌がらない範囲だけ確認し、変化が続く場合や、痛み、腫れ、食欲の変化、嘔吐、元気消失を伴う場合は獣医師に相談してください。

口臭だけが歯の病気のサインになることはありますか?

あります。口の痛みや不快感を隠して、食べ続ける犬もいます。口臭が最初に気づく変化となることもありますが、食欲が通常どおりでも病気がないとは限りません。定期的な獣医師による口腔チェックと、毎日のケアを続けることが役立ちます。

歯みがきで歯石は取れますか?

歯みがきは、歯垢が硬くなる前に取り除くのに役立ちます。ただし、すでにできた歯石を除去したり、歯ぐきの下にある病気を確認したりすることはできません。硬く黄色や茶色の付着物が見える場合は、専門的な歯科検査が必要かどうか獣医師に相談してください。

デンタルガムは歯みがきと同じくらい効果がありますか?

いいえ。適切なデンタルガムは、表示された使用方法を守れば、歯垢や歯石の付着を抑える助けになることがあります。また、VOHCの認証マークは、一定の効果をうたう製品を比較する際の参考になります。ただし、デンタルガムですべての歯の表面をきれいにできるわけではなく、歯みがきの代わりになったり、すでにある歯の病気を治療したりすることはできません。

人間用の歯みがき粉を犬に使えますか?

いいえ。犬用の歯みがき粉を使い、獣医師の指示に従ってください。犬は歯みがき粉を飲み込むため、人間用の製品で代用するのは適切ではありません。

口臭があるということは、犬が腎臓病や糖尿病ということですか?

口臭だけでは判断できません。歯の病気はよくある原因ですが、状況によっては腎臓病、糖尿病、口腔内の腫瘤、その他の問題が隠れている可能性もあります。獣医師は、病歴や症状全体を踏まえて、口腔内の診察や追加の検査を勧めることがあります。

犬の歯科チェックはどのくらいの頻度で受けるべきですか?

頻度は、年齢、犬種、口の形、これまでの診察結果、自宅でのケア状況をもとに、獣医師が決めます。普段の診察時に口腔内のチェックを依頼し、変化に気づいた場合は早めに相談してください。犬によっては、ほかの犬より頻繁に専門的なケアが必要になることがあります。

まずできること

今日は、普段の口臭がどのようなものかを確認し、犬が嫌がらなければ唇の縁をやさしく見て、噛み方や食欲に変化がないか記録してみましょう。口に痛みや不快感がないことを確認してから、犬用の歯みがき習慣を始めるか、改めて取り組んでください。デンタルガムは慎重に選び、使用中は見守り、傷んだものは交換しましょう。口臭が続く場合や、危険なサインが見られる場合は、獣医師の診察を受けてください。口の中を簡単に見るだけでは不十分なときこそ、日頃の注意深い観察と専門家による診察を組み合わせることが、よい口腔ケアにつながります。

参考資料

屋外で飼い主と一緒に座る幸せそうな犬
無理なく、ほめながら続けられる習慣にすると、日々のケアを続けやすくなります。

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