犬が水を飲みすぎるのはなぜ?

読了時間
1分未満で読めます
公開済み
更新日
愛犬の喉の渇きについて知る:水を飲む量が増えたときに考えられること

まず結論から: 暑さや運動、ドライフード、塩分の多いおやつ、嘔吐や下痢、薬の変更などがあると、犬はいつもより多く水を飲むことがあります。ただし、変化が続く場合や原因がはっきりしない場合、特に排尿量の増加、体重や食欲の変化、元気の低下、体調不良を伴う場合は、獣医師に相談しましょう。このガイドは飲水パターンを観察する際に役立ちますが、原因を診断するものではありません。

まずは安全を優先しましょう: 獣医師に相談するまで、新鮮な水をいつでも飲めるようにしておきましょう。獣医師から具体的な指示を受けていない限り、水を制限して飲む量を減らそうとしてはいけません。呼吸が苦しそう、ぐったりして倒れる、目を覚ました状態を保てない、歯ぐきが青・灰色・白・紫色になっている、嘔吐や下痢を繰り返しているといった場合は、すぐに最寄りの救急動物病院を受診してください。

ボウルから水を飲むゴールデン・レトリバーを見守る飼い主

犬の正常な飲水量:数値だけで判断せず、目安として考える

コーネル大学の犬の健康に関するガイドでは、日常的な飲水量の目安として 体重1kgあたり40~60mLの水を挙げています。これは1ポンドあたりおよそ0.6~0.9液量オンスに相当します。あくまで出発点となる目安で、必ず達成すべき数値ではありません。犬は日によってこの範囲を外れることもありますし、ボウルから飲んだ量が摂取する水分のすべてとは限りません。

フードに含まれる水分、天候、運動、授乳、パンティング、最近の体調不良、ほかの場所で水を飲めるかどうかなどによって、量は変わります。ウェットフードを食べている犬は、ドライフードを食べている犬よりボウルから飲む量が少ないことがあります。暖かい日に散歩から帰ってきた犬が、しばらくの間いつもより多く飲むこともあります。大切なのは、たいていの場合、次のように考えることです。 この犬に何が変わったのか?

獣医学の資料では、多飲、つまり過度な喉の渇きや飲水を示す臨床上の目安として、一般に 1日あたり体重1kgにつき100mL超 という数値が使われます。ただし、家庭で診断するための検査ではありません。測定量がこの目安を下回っていても、普段のパターンから大きく変化していれば注意が必要なことがあります。一方、生まれつき水をよく飲む犬でも、パターンが安定していて、その犬にとって正常な場合があります。

正常な喉の渇きと、注意が必要な変化

  • 一時的なことが多いケース: 運動後や暑い日に飲む量が増え、休んで体が涼しくなると落ち着く。
  • 記録しておきたいケース: ボウルがいつもより頻繁に空になる、外に出たがる回数が増える、夜中に水を飲む、明らかな理由がないままその状態が続く。
  • より注意が必要なケース: 頻尿や多量の排尿、粗相、体重減少、食欲の変化、嘔吐、下痢、元気の低下、行動の変化などを伴って、飲む量が増えている。

この違いがあるため、ボウル1杯分の水だけで判断すると誤解につながることがあります。共用のボウル、こぼれた水、床にできた水たまり、ウェットフード、長時間水を飲めなかったことなどによって、実際の1日の飲水パターンより多く、または少なく見積もられることがあるためです。

自宅で犬の飲水量を測る方法

犬の意識がはっきりしていて、それ以外は安定している場合は、短期間の記録をつけることで、漠然とした心配を獣医師に伝えるための役立つ情報に変えられます。記録をつけるために救急受診を遅らせたり、測りやすくするために水を取り上げたりしないでください。

  1. 最初の水量を正確に測る。 計量カップを使って清潔なボウルに水を入れ、量と時間を記録します。複数のペットでボウルを共有している場合は、安全で無理のない範囲で、観察中は分けておきましょう。
  2. 補充するたびに記録する。 ボウルの水位から推測せず、追加した水をその都度測ります。こぼした水、屋外で飲んだ水、トイレや水たまり、ほかのペットのボウルから飲んだ場合も記録してください。
  3. 残った水を測る。 約24時間後に、残った水の量を測ります。最初に入れた水の量+補充した水の量-残った水の量で、ボウルから飲んだ水の量をおおよそ算出できます。
  4. できれば繰り返す。 普段どおりに過ごした2~3日分を記録すると、変化が一時的なものか、続いているものかを確認しやすくなります。水の量と一緒に、天候、運動、フードの種類、おやつ、薬を与えた時間も記録しましょう。
  5. 飲水以外の変化も記録する。 排尿の回数、粗相、食欲、元気、パンティング、嘔吐、下痢、睡眠、新しい行動の変化などを記録します。こうした情報は、数字だけよりも役立つことがあります。

簡単な記録項目: 日付と時間、与えた水の量、補充量、残った水の量、フードとおやつ、薬、運動や暑さへの exposure、尿の変化、便の変化、食欲、元気、その他の症状。記録用紙やスマートフォンにわかりやすくまとめたメモを、受診時に持参しましょう。

キッチンカップで犬の飲み水を測る様子

犬がいつもより多く水を飲む一時的な原因

飲む量が増えたからといって、必ずしも病気のサインとは限りません。はっきりした、短期間の理由がないかを確認し、その後、飲む量が普段のパターンに戻るかを見てみましょう。戻らない場合やほかの症状が現れた場合は、動物病院に相談してください。

暑さ、運動、パンティング

犬はパンティングで水分を失うため、走ったり遊んだり、旅行をしたり、暑い環境で過ごした後に、いつもより多く水を飲むことがあります。日陰や涼しく休める場所、清潔な水を用意し、暑さでつらそうなときは運動時間を短くしましょう。激しい、または普段と異なるパンティング、力が入らない、意識がもうろうとする、倒れる、歯ぐきの色がおかしいといった症状がある場合は、水を飲んだ量を記録して様子を見るべき状況ではありません。すぐに動物病院で診てもらってください。

フード・おやつ・塩分

缶詰や生食からドライフードに切り替えると、食事から摂る水分が減り、器から飲む量が増えることがあります。塩分の多いおやつや人の食べ物も、犬がより多く水を欲しがる原因になる場合があります。水を飲む状態が続いているからといって、食事の変化だけが原因だと決めつけず、変化を記録しましょう。専門家に相談せず、喉の渇きを抑える目的で大幅な食事変更をするのは避けてください。

嘔吐・下痢・病気からの回復

嘔吐や下痢による水分喪失は、水を欲しがる行動や脱水につながることがあります。消化器症状を繰り返す、血が混じる、著しく元気がない、水を飲んでも吐いてしまうといった場合は、早めに獣医師へ相談してください。獣医師が立てた補液の計画を、自宅で作った電解質飲料で代用しようとしないでください。

薬の変更

一部の利尿薬、コルチコステロイド、抗てんかん薬は、喉の渇きや排尿量を増やすことがあります。新しい薬を始めた後や用量を変更した後に変化が見られた場合は、処方した獣医師に連絡し、いつから変化したのかを伝えましょう。犬がいつもより多く水を飲むからといって、獣医師の指示なしに薬を中止したり、飲ませるのを飛ばしたり、量を変えたりしないでください。

ストレス・痛み・生活リズムの変化

ストレスや不快感、水を飲める環境の変化によって行動が変わることはあります。ただし、長く続く水分摂取量の増加を、それだけで片づけてはいけません。Cornellの情報によると、行動が原因で多飲になるケースはまれにありますが、水を飲む量や排尿量が増えるケースの多くには、医学的な原因が隠れている可能性があります。落ち着いて様子を記録し、推測だけで判断せず、獣医師の診察を受けるほうが安全です。

屋外で活動した後、水 bowlのそばで休むボーダー・コリー

獣医師が考慮する可能性のある病気

いつもより多く水を飲み続ける犬では、尿から失う水分が増えている、尿を正常に濃縮できていない、または体内で別の変化が起きている可能性があります。以下は獣医学の資料で挙げられている例であり、愛犬を自己診断するためのチェックリストではありません。

糖尿病

Merck Veterinary Manualでは、犬の糖尿病でよく見られる臨床症状として、排尿量と飲水量の増加、食欲の増加、体重減少などを挙げています。血糖値が高くなると、尿中にブドウ糖が出て水分の喪失が増えることがあります。喉の渇きだけで糖尿病と確定することはできません。診断には診察に加え、適切な血液検査と尿検査の結果が必要です。

腎臓病

腎臓は体内の水分バランスを調整し、尿を濃縮する働きを担っています。Merckによると、腎臓病では尿を濃縮する力が低下し、多尿や多飲を伴うことがあります。初期の変化はわかりにくい場合があるため、水を飲む量の変化に加えて、排尿の増加、食欲低下、嘔吐、体重減少、元気の低下が見られる場合は、年齢のせいだと決めつけないでください。

ホルモン・肝臓・泌尿器・生殖器に関わる病気

Cornellは、多飲・多尿(PU/PD)のパターンを引き起こす可能性のある原因として、糖尿病、腎臓病、クッシング症候群やアジソン病などの副腎疾患、肝臓病、尿路感染症、レプトスピラ症、避妊手術を受けていない犬の子宮蓄膿症を挙げています。子宮蓄膿症は重症化することがあります。避妊手術を受けていないメス犬に、飲水量の増加とともに、陰部からの分泌物、痛みや腹部の膨らみ、発熱、嘔吐、元気消失、急激な体調悪化が見られる場合は、早急に動物病院を受診してください。

頻度の低い原因

VCAによると、尿崩症は糖尿病とは異なる病気で、まれに見られます。抗利尿ホルモンの働きに問題が生じ、大量の薄い尿が出ることがあります。まずは獣医師が、より一般的な原因を除外する必要があります。自宅で水分制限の検査を行おうとしないでください。

大切なのは、喉の渇きという症状が、さまざまな原因で起こり得るということです。同じ変化でも、犬の年齢、食事、薬、排尿の状態、食欲、体型、普段の行動によって意味が異なる場合があります。そのため、オンラインで一つの症状を一つの病気に当てはめるよりも、検査に基づいて獣医師が診断を進めるほうが信頼できます。

水を飲む量以外に確認したいこと

  • 排尿: トイレに行く回数が増えた、尿量が多い、夜中に外へ行きたがる、粗相をする、寝ている間に漏らす、排尿時につらそうにする、血尿があるなど。
  • 食欲と体重: 食べる量が大幅に増えた、または減った、食事制限をしていないのに体重が減った、体型に目立つ変化があるなど。
  • 元気と行動: 力が入らない、いつもより眠っている、落ち着かない、意識がもうろうとする、隠れる、性格や行動が急に変わるなど。
  • 消化器症状: 嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛、水を飲んでも吐いてしまうなど。
  • 呼吸と歯ぐき: 安静時にも激しくパンティングをする、呼吸が速い・苦しそう、呼吸音が大きい、歯ぐきが青、灰色、白、紫色になっているなど。

獣医師に相談するタイミング

早めに受診を予約しましょう

水を飲む量の増加が続いている、何度も繰り返す、はっきりしたきっかけがない、または排尿量の増加、粗相、体重の変化、食欲の変化、元気の低下、薬に関する心配を伴う場合は、獣医師に連絡してください。愛犬に意識があり、食欲もあって苦しそうでない場合でも、通常の診察でよいのか、早めの受診が必要なのかを獣医師に相談できます。

今すぐ救急診療を受けてください

呼吸が苦しそう、激しいまたは異常なパンティング、歯ぐきが青い・変色している、倒れる、反応がない、けいれん、極度の衰弱、嘔吐や下痢を繰り返す、重度の脱水、腹部が急に膨らんで吐こうとするものの吐けないといった症状がある場合は、飲水量の記録を待たず、すぐに救急診療を受けてください。 Cornellの犬の救急ガイド では、呼吸の変化、歯ぐきの変色、力が入らないこと、倒れることには、すぐの対応が必要だと説明しています。

動物病院ではどのような診察が行われる?

獣医師は、変化がいつ始まったのか、どのくらい水を飲み、排尿しているのか、何を食べているのか、どのような薬やサプリメントを与えているのか、そして家庭内で何か変わったことがなかったかを確認します。身体検査を行うことで、こうした情報を総合的に判断できます。

初期検査には、尿検査、血球計算、血液生化学検査、場合によっては画像検査などが含まれます。これらの検査では、尿の濃縮状態、腎臓や肝臓の数値、血糖値、電解質、感染を示す所見など、さまざまな兆候を確認できます。VCAによると、飲水量や尿量の増加の原因を特定するまでに、複数の検査が必要になることがあります。インターネットで見つけた病名の一覧だけで、この診断プロセスに代えることはできません。

診察台の上で犬を診察する獣医療従事者

受診までにできること

  1. いつでも水を飲めるようにする 清潔な器を使い、愛犬が無理なく届く場所に置きましょう。喉が渇く理由が分からないまま水を制限すると、脱水が悪化したり、体内の水分バランスが乱れたりするおそれがあります。
  2. 過ごしやすい環境を整える 暑さや運動の後は日陰で休ませましょう。排尿が増えている場合は、いつもよりこまめに外へ連れ出してください。
  3. 避けられるリスクを取り除く アドバイスの代わりに、塩分の多い人間の食べ物、人用の薬、スポーツドリンク、家庭療法などを与えないでください。中毒の原因になりうるものや薬は愛犬の手の届かない場所に保管し、口にした可能性がある場合は動物病院に連絡しましょう。
  4. 役立つ情報を用意する 飲水量の記録、フードのラベル、薬の一覧、普段と違う行動の動画、その他の症状が現れた時期を獣医師に伝えましょう。完璧なデータを集めるために、無理に水を飲ませたり、受診を遅らせたりしないでください。

普段の散歩や外出の際は、携帯用ボトルがあると、家の外でも量を確認しながら水を与えやすくなります。 Aqua-Feast トラベルウォーターボトル は、商品情報によると10 ozと18 ozのオプションがあります。外出時に便利なアイテムですが、治療や水分状態を確認するための検査ではなく、受診を遅らせる理由にもなりません。

犬の飲水量・喉の渇きに関するよくある質問

愛犬はたくさん水を飲むのに、普段どおりに見えるのはなぜ?

暑さ、運動、フードに含まれる水分量、塩分、薬などによって、一時的に飲水量が増えることがあります。ただし、増加が最近始まったもので続いている場合や、排尿量の増加、体重や食欲の変化、元気の低下を伴う場合は、愛犬が明るく元気そうに見えても動物病院を受診してください。普段どおりに見えることだけでは、原因は分かりません。

犬は1日にどのくらい水を飲むもの?

コーネル大学は、1日あたり体重1kgにつき約40~60mLを目安として示しており、体重1kgにつき100mLを超える場合は、多飲の臨床的な目安として用いられています。これらの数値だけで病気と診断できるわけではありません。食事、天候、運動量、健康状態、そして愛犬本来の飲水量も関係します。

愛犬が夜に水を欲しがるのはなぜ?

夜間の飲水は、生活リズムの変化、ドライフード、室内の暖かく乾燥した空気、日中に水を飲めなかったことなどが関係している可能性があります。また、時間帯にかかわらず喉の渇きを強める同じ病気が原因となることもあります。飲んだ時間と量、排尿の様子、その他の症状を記録しましょう。新しく始まった状態が繰り返される場合は、獣医師に相談する価値があります。

フードを変えると、犬の飲水量は増える?

増えることがあります。ドライフードは缶詰フードより水分が少なく、塩分の多いおやつも水を欲しがる原因になることがあります。変化が始まった時期と、飲水量が通常に戻る傾向があるかを記録してください。獣医師に相談せず、フードの変更だけが続く飲水量の増加やその他の症状の原因だと決めつけないようにしましょう。

器がすぐ空になる場合、愛犬の水を制限したほうがいい?

いいえ。獣医師から、管理下で行う検査や治療計画のための具体的な指示を受けている場合を除き、水を制限しないでください。飲水量の増加は、尿や病気によって失われた水分を補おうとしている可能性があります。水を制限すると、脱水が悪化したり、体液や電解質に危険な乱れが生じたりするおそれがあります。

犬の過度な飲水には、どのような検査を行う?

獣医師はまず、これまでの経過を確認して身体検査を行い、その後、尿検査、血球計算や血液生化学検査などの血液検査、必要に応じて画像検査やより詳しい検査を勧めることがあります。どの検査を組み合わせるかは、愛犬の状態によって異なります。飲水量の記録は役立ちますが、糖尿病、腎臓病、薬、感染症など、何が原因なのかを判断することはできません。

落ち着いて次にできること

変化に気づき、安全な場合に限って飲水量を測り、水はいつでも飲めるようにして、全体の経過を獣医師に伝えましょう。器が教えてくれるのは何かが変わったということまでです。なぜ変化したのかを明らかにするには、診察と適切な検査が必要です。

参考資料と注意点

この記事は、ペットの健康に関する一般的な情報を提供するものであり、診断や治療計画を示すものではありません。獣医療および緊急時の案内は、以下の資料を参考に確認しています。

症状の観察や暑い時期の注意点について、さらに詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。 犬の病気の症状ガイド夏の犬のお手入れガイド

おすすめ商品