犬用抜け毛取りブラシで被毛は傷む?安全に使うためのガイド

読了時間
1分未満で読めます
公開済み
更新日
犬の被毛を検証: デシェディングツールは被毛を傷めるのか?
短く答えると

被毛に合わない道具を使ったり、もつれに引っかかったり、力をかけすぎたり、同じ場所を何度もこすったりすると、抜け毛取り用の道具が被毛の切れや皮膚の刺激につながることがあります。ただし、すべてのレーキや抜け毛取りブラシが被毛を傷めるわけではありません。犬の被毛の状態、道具、使い方、そして犬の反応のすべてが関係します。

床に毛がたくさん落ちていると、特に新しいアンダーコート用レーキや抜け毛取りブラシを使った後は、不安になるかもしれません。落ちた毛の量だけでは、自然に抜ける下毛が取れたのか、健康な長い毛まで抜けたのか、それともグルーミング前から始まっていた被毛の変化が見えるようになったのかは判断できません。毛の量だけでなく、被毛と皮膚の状態を確認しましょう。

このガイドでは、よく使われるブラシの種類を比較し、ダブルコート、スムースコート、長毛、巻き毛で扱い方が異なる理由を説明します。また、グルーミングが痛みにつながる前に中止できるよう、犬の様子を見ながら進める方法も紹介します。脱毛の原因を診断したり、被毛がいつ再び生えるかを約束したりするものではありません。

被毛のお手入れについて考えるための、犬の毛幹を顕微鏡のように拡大した画像

毛の山ではなく、被毛に合った道具を選ぶ

ブラシは、毛に物理的に働きかける道具です。ピンや歯の形、間隔、長さによって、毛への当たり方が変わります。さらに、力のかけ方と被毛の状態によって、毛や皮膚に伝わる引っ張りの強さも変わります。VCAとアメリカン・ケネル・クラブはいずれも、被毛のタイプに合ったブラシを選び、やさしく扱うことを重視しています。まず確認すべきなのは、できるだけ多くの毛を取れるかではなく、被毛の状態です。

道具 適した使い始め方 注意したいサイン
アンダーコート用レーキ ピンの長さを被毛に合わせ、適したダブルコートの下毛を取り除く。 毛が引っかかる、歯に表面の長い毛まで絡む、皮膚の薄い部分に圧がかかる、犬が逃げようとする。
抜け毛取り用ブラシ 被毛に合った道具を選び、自然に抜ける段階の毛を少しずつ取り除く。 間隔の狭い部分や鋭いエッジが毛をつかむ、同じ場所を何度も通す、先端が粗い、皮膚に明らかな刺激が見られる。
スリッカーブラシまたはピンブラシ ピンの形が合う被毛に対して、軽いもつれ取りや表面のお手入れに使う。 ピンが皮膚に押しつけられる、固い毛玉の上からブラッシングする、もつれをほどく代わりに引っ張ってしまう。
ラバーブラシまたはグルーミンググローブ 多くの短毛・スムースコートから、抜け毛や表面の汚れを取り除く。 痛みのある部分をこする、別の道具が必要な被毛に使い続ける、犬が嫌がっているのに続ける。
金属コーム 細かなもつれや、より丁寧な確認が必要な部分の仕上げに使う。 毛玉に無理やり通したり、プロによる毛玉取りの代わりに使ったりする。

落ちた毛の量だけでは、被毛へのダメージは判断できない

『メルク獣医マニュアル』では、犬の被毛は、複合毛包から生える一次毛と二次毛で構成されると説明されています。毛は成長期、退行期、休止期を経て、自然なサイクルの一部として抜け落ちます。遺伝、栄養、ホルモン、病気、薬、環境、日照時間、季節など、さまざまな要因が目に見える被毛の状態に影響します。

抜けた下毛は、やわらかく細く、被毛から分けて取りやすいことがよくあります。切れた毛は、短く不ぞろいに見えたり、毛先が粗く見えたりすることがあります。ただし、こうした観察だけで原因を診断することはできません。部分的な脱毛、かゆみ、かさぶた、におい、脂っぽさ、同じ場所を繰り返しなめる行動が見られる場合は、ブラシではなく皮膚の問題が関係している可能性があります。メルクは、異常な抜け毛や脱毛には、経過の確認、詳しい観察、必要に応じた検査が必要だと説明しています。

顕微鏡のように拡大した画像は、毛幹の状態がなぜ重要なのかを理解する助けになります。ただし、自宅で撮った画像だけで毛包が傷ついているかどうかを判断することはできません。見た目に気になる変化があるときは、被毛をやさしく扱い、専門家に相談することを思い出すためのものとして活用しましょう。

被毛のタイプで選ぶ

ダブルコートの犬

ダブルコートには一般的に、長めの表面の毛と、よりやわらかな下毛があります。アンダーコート用レーキは、表面の毛をこすったり引っ張ったりせずに、抜けた下毛までピンが届く場合に役立ちます。適したピンの長さは被毛によって異なります。力を抜いて毛の流れに沿って動かし、実際に何を集めているのかを確認しましょう。歯が長い表面の毛に何度も引っかかるなら、その場所には道具や角度が合っていません。

スムースコート・短毛

短毛の犬には、深い下毛まで届くレーキよりも、短い毛のブラシ、やわらかなグローブ、ラバーブラシのほうが合うことがよくあります。レーキが届くような密な下毛がなくても、被毛の毛は目に見えて抜けることがあります。毛を無理なく動かせる程度に表面へ触れ、同じ場所をこすり続けて熱を持たせたり、赤くしたりしないようにしましょう。

中毛・長毛

長い毛のお手入れでは、毛の層を分けて確認する方法が必要です。小さなもつれを見つけるには、抜け毛取り用ブラシよりもピンブラシや歯の長いコームのほうが役立つことがあります。ゆるいもつれは、皮膚側から外側へ無理に道具を通すのではなく、毛先から根元に向かって少しずつほどきましょう。耳の周り、脇の下、脚の裏側、しっぽは、皮膚の近くに毛の塊が隠れやすいため、特に丁寧に扱ってください。

巻き毛・細い毛・抜けにくい被毛

巻き毛や細い毛は、抜けた下毛を引き抜くために作られた道具が合わないことがあります。VCAは、巻き毛にはスリッカーブラシ、スムースコートには短く柔軟な道具を挙げています。愛犬に下毛があるか分からない場合は、トリマーに道具の使い方と、その被毛に適した力加減を見せてもらいましょう。

子犬・シニア犬・敏感な皮膚

子犬は、触られることは落ち着いて予測できるものだと学んでいる途中です。そのため、強い抜け毛取りを試すより、やわらかなブラシを使って短時間で気持ちよく終えるほうが、よい導入になります。シニア犬は皮膚が薄くなっていたり、関節炎や毛玉、被毛の状態を変える病気などを抱えていたりすることがあります。犬が楽に立っていられないときや、皮膚が弱そうに見えるときは、ゆっくり進めましょう。獣医師やトリマーに相談すれば、お手入れ方法を調整できます。

犬の被毛のもつれや毛の長さの unevenness を確認する飼い主

グルーミング中に被毛が傷む原因

共通する原因は、引っ張る力です。毛玉に引っかかったり、まだ抜ける準備ができていない毛をつかんだり、歯の形状に対して密度が高すぎる被毛に当たったりすると、道具が毛を引っ張ることがあります。同じ場所に何度も押し当てるのも負担になります。また、鋭いエッジのある道具は、抜け毛になったアンダーコートだけを取り除くのではなく、毛を切ったり折れさせたりすることがあります。こうした場合は道具を बदलえるか使用を中止するサインであり、すべての抜け毛取りブラシが同じ結果を引き起こすという意味ではありません。

毛玉には特に注意が必要です。Merckによると、毛玉になった被毛は皮膚を刺激することがあります。毛玉が皮膚の近くにできていると、皮膚と毛の境目を見分けるのが難しくなります。固く絡んだ毛玉に、無理にアンダーコート用レーキや家庭用のはさみを通さないでください。安全な取り除き方を判断するため、プロのトリマーに相談しましょう。痛みや炎症、傷のある皮膚は、獣医師の診察を受けてください。

犬の様子も、安全性を判断する大切なサインです。一度身を引いたなら、姿勢が無理だっただけかもしれません。しかし、何度も逃げようとする、声を出す、体をこわばらせる、噛もうとする、急にかく、姿勢が変わるといった様子が見られたら、すでに快適なケアではありません。いったん休憩して犬が落ち着くのを待ち、グルーミングを我慢比べにしないようにしましょう。

負担を抑えた自宅グルーミングの手順

  1. まずは確認しましょう。 明るい場所で、指を使って被毛をかき分けます。毛玉、植物の種やとげ、寄生虫、赤み、傷、湿り気、かさぶた、におい、または犬が触られるのを嫌がる部分がないか確認してください。
  2. 被毛のタイプを確認しましょう。 ダブルコート、スムースコート、ミディアム、ロング、細い毛、巻き毛のどれに当たるかを確認します。判断できない場合は、より刺激の少ないブラシを選び、トリマーに相談してください。
  3. 犬がリラックスしている場所から始めましょう。 犬に道具を見せ、においをかがせます。まずは触れやすい場所に軽く当てて使い始め、その後、犬の姿勢と抜けてくる毛の状態を確認してください。
  4. 短く、コントロールした動きで使いましょう。 毛の流れに沿って道具を動かします。体重をかけてブラシを押しつけたり、最後の一本まで抜こうとしたりしないでください。
  5. 被毛と皮膚をもう一度確認しましょう。 毛先、長いオーバーコートの毛がどの程度残っているか、そしてその下の皮膚を確認します。道具が引っかかり始めたり、被毛がざらついて感じられたりしたら、別の場所に移ってください。
  6. 落ち着いた状態で終えましょう。 犬が不安や苦痛を示す前に終わらせます。使った道具、ケアした場所、気になった変化を記録しておくと、トリマーや獣医師が状態の傾向を把握しやすくなります。
落ち着いたダブルコートの犬をソフトブラシでケアする飼い主

中止のサイン:今の道具が合っていないとき

いったん中止して確認すること 注意が必要な理由
道具が何度も毛を引っ張ったり、曲げたり、引っかかったりする 被毛の状態やもつれ、ピンの長さ、使い方によって、負担が大きくなっています。
皮膚が赤い、擦れている、熱を持っている、かさついている、または痛がる その部分のブラッシングを中止してください。皮膚の診察が必要かどうかは、獣医師が判断できます。
短く不揃いな毛や、切れたように見える毛が多くある 見た目を整えようとしてブラッシングを続けないでください。写真を撮り、トリマーや獣医師に状態を確認してもらいましょう。
犬が体をこわばらせる、逃げようとする、鳴く、または特定の場所を守ろうとする ケアを終え、より落ち着いた方法で行うか、専門家のサポートを受けてください。
固い毛玉、部分的な脱毛、出血、におい、または長く続くかゆみがある そのサインを普通の抜け毛として扱わないでください。トリマーまたは獣医師に状態を確認してもらいましょう。

抜け毛、毛切れ、皮膚の病気は別々に考えましょう

犬は被毛に問題がなくても、毛が大量に抜けることがあります。また、最後にグルーミングをしたこととは関係なく、被毛が傷んだように見える場合もあります。Merckは、病気、栄養状態、ホルモン、薬、環境などが毛に影響を与える要因として挙げています。変化が起きた時期は参考になりますが、それだけで原因がグルーミングだと断定することはできません。

状態のパターン 慎重に取るべき次の対応
柔らかい抜け毛が自然に取れ、全体が均一で、皮膚も快適そう 被毛に合った道具をやさしく使い、その後も様子を見ましょう。抜けた毛の量だけで良し悪しを判断する必要はありません。
グルーミング後に手触りがざらつく、または毛先が短く切れたように見える その道具の使用を中止し、同じ明るさの環境で写真を撮って、トリマーに使い方と被毛の状態を確認してもらいましょう。
部分的な脱毛、かゆみ、かさぶた、におい、痛み、または皮膚の色の変化 獣医師に相談してください。家庭用のブラシだけでは、アレルギー、寄生虫、感染症、内分泌疾患、毛包の問題などを特定できません。
用具の使用をやめても被毛の状態が戻らない グルーミングの記録を残し、専門家に相談してください。被毛が決まった期間で生え戻ると考えないようにしましょう。

被毛がすでに薄く見える場合は?

原因と思われる用具の使用をやめ、見た目を整えようとしてさらに毛を取り除くのは避けてください。同じ角度から鮮明な写真を撮り、変化に気づいた時期を記録します。使った用具、範囲、力加減、愛犬の様子もメモしておきましょう。皮膚をこすったり、かさぶたなどを無理に取ったりせず、状態を確認してください。

被毛が決まった期間で元に戻ると、自分に言い聞かせないようにしましょう。PubMedには、ラブラドール・レトリーバーの刈毛後の発毛や、ニューファンドランド犬の刈毛後の被毛の変化に関する報告がありますが、これらは特定の犬種と処置を対象にした研究です。家庭用の抜け毛取り用具を検証したものではなく、個々の犬の結果を予測することもできません。

トリマーは、使い方や毛玉、被毛のタイプによる問題を見分ける手助けをしてくれます。脱毛が続く、部分的に毛が抜ける、かゆみ、傷、痛み、におい、出血がある場合や、ほかの体調変化を伴う場合は、獣医師の診察を受けてください。

よくある質問

抜け毛取り用具で犬の被毛が傷むことはありますか?

被毛に合わない用具を使ったり、毛のもつれに引っかけたり、強く押し当てたり、同じ場所に繰り返し使ったりすると、切れ毛や皮膚の刺激につながることがあります。ただし、どの抜け毛取り用具でも、すべての被毛を傷めるという意味ではありません。用具の名称よりも、使用を中止すべきサインや愛犬の反応を重視しましょう。

アンダーコート用レーキは、抜け毛取り用具より優れていますか?

どちらが自動的に優れているということはありません。アンダーコート用レーキは適したダブルコート向けに作られている一方、抜け毛取り用具は歯や刃の形状がそれぞれ異なります。被毛に合う用具を選び、やさしく当て、長い毛に引っかかったり皮膚を刺激したりしたら使用をやめてください。

短毛の犬にはどんなブラシを使えばよいですか?

スムースコートの場合は、柔らかいグルーミンググローブ、ラバーブラシ、または短毛用ブラシから始めるのがよいでしょう。広告に表示されている毛の量ではなく、愛犬の被毛と反応を基準に選んでください。

カールした被毛に抜け毛取り用具を使えますか?

抜けたアンダーコート用の用具が、カールした被毛や細い被毛にも合うとは限りません。VCAでは、カールした被毛にはスリッカーブラシを挙げています。歯の深い用具を使う前に、トリマーに被毛のタイプを確認してもらい、力をかけすぎない使い方を教わりましょう。

愛犬の抜け毛なのか、脱毛なのかはどう見分けられますか?

皮膚に刺激がなく、全体的に均一に毛が抜けている場合は、通常の換毛に当てはまることがあります。ただし、家庭での確認だけでは原因を確定できません。部分的な脱毛、かゆみ、かさぶた、におい、痛み、出血、または状態が長く続く場合は、獣医師に相談してください。

切れたオーバーコートは生え戻りますか?

生え戻り方を予測できるとは考えないでください。毛の反応は、犬種、毛周期、健康状態、環境、被毛に起きたことによって異なります。刈毛に関する研究は、抜け毛取り用具を使えば予測どおりの結果になることを示すものではありません。現在の被毛と皮膚の状態は、専門家に確認してもらいましょう。

ブラッシングで愛犬が痛がる場合はどうすればよいですか?

いったんやめ、引っ張らずに用具を外し、愛犬が許す範囲でその部分を確認してください。皮膚が赤い、擦れている、出血している、または痛がる場合は、獣医師に連絡しましょう。毛玉や使い方が原因と思われる場合は、プロのトリマーに相談してください。

グルーミングのストレスを減らすにはどうすればよいですか?

静かな場所を選び、まずは用具のにおいを嗅がせるなど、愛犬が確認できるようにしましょう。嫌がらない場所から始め、触れる力を弱く保ち、落ち着いているうちに終わらせます。子犬やシニア犬、被毛に痛みがある犬には、よりゆっくりした進め方や専門家のサポートが必要な場合があります。

参考文献・さらに詳しく知るために

以下の参考資料は、この記事で扱う被毛、ブラシの選び方、毛周期、獣医師に相談すべきケースについての根拠となるものです。すべての犬に共通する抜け毛取りの頻度を示すものでも、特定の用具が被毛のダメージを引き起こす、または防ぐことを証明するものでもありません。

実践のポイント: 目の前にいる愛犬の被毛に合うブラシを使い、力をかけすぎず、皮膚の状態を確認しましょう。被毛や愛犬の様子からうまくいっていないと感じたら、そこでやめてください。日頃のお手入れについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください: ペットオーナー向けお役立ち情報.

この記事は、ペットの診断や治療を行うものではありません。抜け毛が続く、皮膚に痛みがある、傷や出血が見られるなど、健康上の懸念がある場合は、獣医師にご相談ください。

おすすめ商品