犬が知育おもちゃで遊び続けるための工夫
目次
知育おもちゃは、探す、追いかける、噛む、運ぶ、なめる、考えて解くといった、犬にとって分かりやすい行動を引き出すものだと理解されやすくなります。難しすぎたり、すべてのおもちゃを一日中出しっぱなしにしたり、簡単な導入なしに遊び始めたりすると、興味が薄れることがあります。
このガイドでは、おもちゃを使うときの流れに注目します。始め方、遊びのローテーション、難易度の調整、フードの上手な使い方、犬がいら立つ前に切り上げる方法をご紹介します。パズルフィーダーや動くおもちゃ、噛むおもちゃをまだ比較しているなら、まずは 犬用インタラクティブおもちゃの選び方ガイドをご覧ください。
まずは、犬が普段から選んでいる遊びから始めましょう
誰にも遊び方を指示されていないとき、犬が何をしているか観察してみましょう。転がるものを追う犬は、動きのある遊びを好むかもしれません。食後に床を探し回る犬は、においを嗅いだりフードパズルに取り組んだりする遊びが向いているでしょう。ぬいぐるみを運ぶ犬もいれば、落ち着いて噛む犬、飼い主が引っ張りっこや取ってこい遊びを始めるのを待つ犬もいます。
そうした行動を出発点にしましょう。知育おもちゃは、複雑そうに見える必要はありません。犬の体格、噛み方、動きやすさ、フードへの関心、遊びに関わろうとする意欲に合っていることが大切です。年齢や犬種も手がかりにはなりますが、その犬自身の反応のほうが参考になります。
犬が選べることも大切です。安全なおもちゃを2つ、十分な間隔を空けて置き、どちらに近づくか、どのくらいその場にとどまるか、体が緊張せず楽な状態かを観察しましょう。どちらか一方をお気に入りだと判断する前に、別の日にも同じように比べてみてください。
最初は簡単にできるようにしましょう
新しいパズルは、早い段階で成功できるようにしましょう。食べ慣れたドライフードを少量、手の届きやすい場所に入れます。転がして使うフードおもちゃなら、フードが出てくる仕組みを犬が見られるように、一度だけ動かしてみましょう。動くおもちゃは犬に向かって走らせるのではなく、広く開けた床の上で、落ち着いていられる距離から始めます。
- 静かで、足元が安定した場所を選びましょう。
- おもちゃが動いたり音を立てたりする前に、犬に確認する時間を与えましょう。
- 簡単な動きを1つ見せたら、犬が試す時間を待ちましょう。
- 犬がまだ落ち着いているうちに、いったん終わりにしましょう。
- 片付ける前に、おもちゃを点検してきれいにしましょう。
犬がおもちゃを一度解けたからといって、すぐに難易度を上げ続ける必要はありません。少し空腹でよく休んだ犬でも、静かな部屋にいるときと、にぎやかな散歩の後や来客中とでは、取り組み方が変わることがあります。何が役立ったのか分かるように、一度に変えるのは1つだけにしましょう。
すべてを出しっぱなしにせず、少数のおもちゃをローテーションしましょう
いつでも使える、信頼できるおもちゃをいくつか残し、ほかは使わない間しまっておきましょう。数日おきに、すべてを入れ替えるのではなく、1~2個ずつ交換します。しばらく離しておくと、慣れたおもちゃがまた新鮮に感じられることがあります。一方で、いつも使えるお気に入りが1つあると、慎重な犬も安心して取り組めます。
ある 10頭の介助犬訓練生を対象とした小規模な予備研究では 7種類の知育活動に対する反応にばらつきがあることが分かりました。研究者は、さらなる研究が必要だとしながらも、さまざまな活動をローテーションする方法を推奨しています。家庭で犬と過ごす際にも、安全な遊びをいくつか試し、毎日同じおもちゃが合うとは限らないと考えて、反応を観察することが役立ちます。
変化は、物を買い足すことだけでなく、遊びの内容にもつけられます。同じ週の中に、フード探し、短時間の追いかけっこ、においを嗅ぐ散歩、飼い主が見守る噛む遊び、数分間のごほうびを使ったトレーニングを取り入れてもよいでしょう。いつものローテーションが単調に感じられるときは、当店の 室内でできる犬用おもちゃと遊びのアイデア も、手軽な選択肢として役立ちます。
おもちゃごとに役割を1つ決めましょう
フード探しと問題解決
フードパズルは、食事の一部を探す遊びに変えてくれます。 Duck Puzzle Feeder はドライフードや硬めのおやつ向けで、最初のごほうびは見つけやすくしておくと、より取り組みやすくなります。犬が押したり探したりせず、フィーダーを噛むようなら、いったん片付け、より簡単な遊びを近くで見守りながら試してみましょう。
動きと追いかけっこ
この IntelliRoll Smart Interactive Ball は動きながら方向を変えます。階段や家具の狭いすき間から離れた、広い床の上で使いましょう。敏感な犬には、まず距離を取った状態で見せてください。犬が押さえ込もうとしたり、外側を噛み破ろうとしたりする場合は、片付けましょう。
噛む遊びと運ぶ遊び
噛むおもちゃは、口を使った遊びをじっくり楽しみたい犬に向いていますが、必要な丈夫さは犬によって異なります。犬の口に合うサイズを選び、ふちをどのように使っているかを見守り、遊んだ後には深い傷や外れかけた部品がないか確認しましょう。音の鳴る仕掛けが興味を引く犬もいれば、分解しようとする犬もいます。
飼い主と一緒に遊ぶ
引っ張りっこや持ってこい遊び、宝探し、短いトレーニングゲームなら、飼い主さんも一緒に遊べます。ルールは一貫させ、休憩に入るタイミングもわかりやすくしましょう。食べ物をごほうびに使うなら、当店の 犬のトレーニングに適したごほうびの選び方 では、犬の好みやそのときの状況に合ったごほうびを選ぶ理由を解説しています。
柔軟な7日間のローテーションを試してみましょう
以下は、厳密なプログラムではなく、組み合わせの一例です。愛犬が楽しむものは繰り返し、ストレスや frustrationにつながるものは短時間にし、散歩やトレーニング、休息、天候、健康状態も考慮しましょう。
- 月曜日:朝食の一部を、簡単に遊べるフードパズルに入れます。
- 火曜日:滑りにくく、障害物のない床で、短い動きのある遊びや持ってこい遊びをします。
- 水曜日:普段食べているフードを少量ずつ、見つけやすい場所に隠して、においを頼りに探してもらいます。
- 木曜日:見守りながら噛むおもちゃで遊ばせ、片付ける前に状態を確認します。
- 金曜日:その週に愛犬がいちばん楽しんだ遊びを、小さな変化を1つ加えて繰り返します。
- 土曜日:引っ張りっこや持ってこい遊び、簡単なトレーニングなど、飼い主さんが進める遊びを選びます。
- 日曜日:安全な遊びを2つ用意し、愛犬の反応を見ながら次のローテーションを決めます。
犬は、ずっと楽しませてもらう必要はありません。睡眠や静かに周囲を観察する時間、ゆっくりにおいを嗅ぐ時間、散歩、家族やほかの犬とのふれあいも、バランスの取れた一日の大切な一部です。遊び終えたら、何度も遊びに誘い続けるのではなく、おもちゃを片付けましょう。
食事量を増やさずにフードを使った知育遊びを取り入れる
知育トイに入れる前に、使うフードの量を量っておきましょう。できるだけ、おやつを大量に追加するのではなく、普段の1日の食事量の一部を使ってください。中に入れるものは、愛犬の食事内容やアレルギー、獣医師の指示に照らして確認しましょう。人間の食べ物を使う場合は原材料の確認が必要です。チョコレート、ぶどう、レーズン、玉ねぎ、にんにく、キシリトールなど、犬にとって危険なものが含まれている場合があります。
ASPCAの 犬向けエンリッチメントのアイデア では、シンプルなフードパズルにドライフードを使う方法を紹介し、手作りのアイテムを使う際は、近くでしっかり見守るよう呼びかけています。段ボールや布、プラスチックは、素材を破いて飲み込む犬には適していません。
食べ物が触れる面は使用後に洗い、完全に乾かしましょう。残った湿ったフードはすぐに取り除いてください。2頭の犬が食べ物やおもちゃをめぐって競い合う場合は、それぞれに別のスペースを用意し、再び一緒にする前におもちゃなどを片付けます。所有欲から物を守ろうとする行動については、犬がどこまで我慢できるかを試すのではなく、資格のある行動の専門家に相談してください。
遊ぶ前に毎回、安全を確認しましょう
- 愛犬の口に丸ごと入ってしまわない大きさのおもちゃを選びましょう。
- 新しいおもちゃは、丈夫なつくりと表示されている場合でも、最初は必ずそばで見守りながら使いましょう。
- ひび割れ、縫い目のほつれ、詰め物の露出、外れかけた鳴き笛、鋭い縁、部品の欠落がないか確認します。
- 室内で動くおもちゃを使う前に、階段へ行けないようにし、壊れやすい物を片付けておきましょう。
- フードパズルは掃除しやすい場所で使い、中に入れたフードも1日の食事量に含めて管理しましょう。
- おもちゃを守ろうとする、部品を飲み込む、興奮が収まらない、痛がるといった様子が見られたら、中止してください。
- 商品の洗浄方法、充電方法、サイズ、取り扱いに関する説明に従いましょう。
すべての犬や遊び方に安全なおもちゃはありません。劣化によって形が変わったり、飲み込む危険が生じたりしたら、交換してください。1頭の犬が壊さずに使えたおもちゃでも、縫い目や鳴き笛、特定の角を狙って噛む別の犬には適さない場合があります。
愛犬の様子を見ながら難易度を調整しましょう
愛犬が何度もその場を離れる、間違った場所を引っかく、おもちゃに向かって吠える、壊そうとする、落ち着いて何度か試してもごほうびにたどり着けないといった場合は、遊びを簡単にしましょう。やり方をもう一度見せる、ごほうびが見える状態にする、手順を減らす、慣れたおもちゃに戻すといった方法があります。
愛犬が落ち着いて、何度か続けてすぐに遊び方を解決できるようになったら、少しだけ難しくしてみましょう。ごほうびを見えにくくする、選択肢を1つ増やす、別の安全な部屋におもちゃを置くといった方法があります。変化は控えめにしてください。ストレスを感じているからといって、そのおもちゃがより良い運動になっているとは限りません。
動きが落ち着かず激しくなる、体がこわばる、食べ物を守ろうとする、疲れが見えるといった場合は中止してください。以前は楽しんでいた遊びなのに、急に噛むのを嫌がる、食べ物を落とす、口を前足で気にする、足を引きずる、つらそうにするといった様子があれば、いったん中断して獣医師に相談しましょう。
期待しすぎないことも大切です
知育トイは、においを嗅ぐ、食べ物を探す、追いかける、噛む、飼い主さんとふれあうといった機会を作れます。ただし、不安の治療になるものでも、吠えや噛み癖などの行動を必ず止められるものでもありません。こうした問題には複数の原因がある場合があり、獣医師や行動の専門家によるサポートが必要になることもあります。
ある 47頭の家庭犬を対象にした12日間の研究 では、おもちゃを定期的に使った後も、測定された活動量、食事にかかる時間、認知バイアスの結果に大きな変化は見られませんでした。この研究には限界があり、飼い主さんがおもちゃを使う理由をすべて測定したものでもありません。どの家庭にも同じ結果が得られると考えるのではなく、愛犬それぞれの様子を観察することが大切だと教えてくれる結果です。
よくある質問
犬用知育おもちゃは、どのくらいの頻度で入れ替えるべきですか?
まずは数日おきに入れ替えるのがおすすめです。1〜2個を交換しつつ、愛犬が慣れ親しんだお気に入りはいつでも使えるようにしておきましょう。興味を失うのが早くなったときや、いつものおもちゃで遊ぶ時間をもっと取りたそうなときは、入れ替えるペースを調整してください。
知育遊びは1回どのくらいの時間行えばよいですか?
一律の目安はありません。初めて取り組む犬なら、落ち着いて数分遊ぶだけで十分な場合があります。一方、慣れている犬は、適したおやつ用おもちゃにもっと長く取り組めることもあります。イライラしたり、疲れたり、壊すような使い方を始めたりする前に切り上げましょう。
愛犬を知育おもちゃと一緒にひとりにしても大丈夫ですか?
初めて使うおもちゃや、愛犬が噛みちぎってしまう可能性のあるものは、必ず見守ってください。そのおもちゃを愛犬がどのように使うかを確認し、メーカーが見守りなしでの使用を認めている場合に限って、見守りを減らすことを検討しましょう。フードパズル、電動おもちゃ、破損したおもちゃ、部品が外れやすいおもちゃは、特に注意深く見守る必要があります。
愛犬がどんな知育おもちゃにも興味を示さない場合はどうすればよいですか?
難易度を下げる、いつものごほうびを使う、または匂いを嗅ぐ遊びやトレーニング、追いかけっこ、飼い主と一緒に行う遊びに切り替えてみましょう。犬によっては、人とのふれあいや体を動かす遊びを好むこともあります。無理にパズルへ誘導せず、その好みを尊重してあげてください。
子犬やシニア犬も知育おもちゃを使えますか?
サイズ、素材、難易度、足元の安定性、必要な体力が、その犬に合っていれば使えます。子犬は素材をすぐに噛みちぎって飲み込んでしまうことがあります。シニア犬には、取り出しやすい設計、滑りにくい足元、口当たりの柔らかい素材、短時間の遊びが適している場合があります。痛みや歯の病気、視力の低下、運動能力の制限がある場合の調整については、獣医師に相談してください。