犬が夜にパンティングする理由:原因と対処の目安
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夜、愛犬がハアハアと息をしていると、不安になりますよね。 暖かい部屋、直前の遊び、興奮、緊張する音などがきっかけでパンティングが起こることがあります。一方で、痛みや呼吸器・心臓の問題、内分泌疾患、薬の影響、その他の病気に伴って見られる場合もあります。時間帯だけで原因を判断することはできません。
まずは緊急性がないか確認しましょう
パンティングに、明らかな呼吸困難、あえぐような呼吸、腹部を大きく使った呼吸、頭や首を伸ばした姿勢、歯ぐきが青・灰色・紫色または非常に白い、倒れる、ひどいぐったり感、意識がぼんやりする、嘔吐を繰り返す、吐こうとしているのに吐けずお腹が膨れている、中毒の疑い、熱中症の症状などが伴う場合は、最寄りの救急動物病院を受診してください。出発の準備をしながら電話で相談してもよいでしょう。自宅で様子を見て、症状が治まるのを待ってはいけません。
暑さが関係していそうな場合は、愛犬を涼しく日陰になった場所、または冷房の効いた場所へ移し、水を飲めるようにします。ただし、無理に飲ませないでください。そのうえで動物病院に連絡しましょう。移動中も、できるだけ落ち着いた涼しい環境を保ってください。人用の薬を与えたり、パンティングを止めようとして受診を遅らせたりしないでください。
犬はなぜ夜にパンティングするのでしょうか?
犬は、温かく湿った空気を外へ出してより涼しい空気を取り込み、体温を調節するためにパンティングをします。興奮やストレスへの反応として起こることもあります。夜は状況が変わります。人にはそれほど暑く感じなくても部屋の温度が高かったり、寝具に熱がこもっていたり、夜の散歩がいつもより激しかったり、外の音で敏感な犬が警戒し続けたりすることがあります。
快適な環境で安静にしている犬がパンティングをしている場合、とくに初めて見られた、長く続く、または繰り返しているときは、原因を広く考える必要があります。痛み、呼吸器や心臓の病気、内分泌・代謝性疾患、薬の影響、加齢に伴う変化などによって、呼吸や行動が変わることがあります。複数の要因が重なっている場合もあり、パンティングだけで原因を特定することはできません。
まずは状況を確認:暑さ・運動・ストレス
症状が出る前の1時間に、何か変化がなかったか確認しましょう。部屋が暑かったり、換気が悪かったりしませんでしたか?愛犬は服を着ていた、厚い寝具の上で寝ていた、散歩や遊びから戻ったばかりだった、ということはありませんか?雷雨、花火、工事の音、来客、留守番、夜の過ごし方の変化などはありませんでしたか?きっかけがなくなると落ち着く場合は、状況に反応している可能性があります。ただし、症状が改善したからといって病気の可能性がなくなるわけではありません。
ストレスのサインには、歩き回る、震える、鳴く、よだれを垂らす、隠れる、耳を後ろに倒す、しっぽを脚の間に巻き込む、何度も周囲を見回す、落ち着けないなどがあります。部屋が涼しくても、こうした行動と一緒にパンティングが起こることがあります。可能であれば、きっかけを減らしましょう。静かに過ごせる場所を用意し、音を小さくし、照明を心地よい明るさにして、愛犬が自分から近づくかどうかを尊重してください。触ろうとしたり、閉じ込めたり、遊びや食事を勧めたりすることで症状が悪化する場合は、無理に行わないでください。症状が頻繁に起こる、さまざまな場面で見られるようになる、または中断しにくい場合は、身体的な原因と行動面の原因の両方について獣医師に相談しましょう。医学的な原因を検討したうえで、獣医行動診療科の獣医師や、適切な資格を持つ行動の専門家が対応に加わることもあります。
詳しく調べる必要がある主な原因
以下は、自宅で愛犬を診断するためのものではなく、獣医師に相談する際の手がかりです。
痛みや身体的な不快感
犬によっては、パンティング、落ち着きのなさ、何度も姿勢を変える、震える、動きたがらない、足を引きずる、特定の場所をなめる、体をこわばらせる、いつもと違う声を出すなどの形で痛みを示します。目に見えるけががなくても、楽な姿勢を取れずに目を覚ますことがあります。腹部の不快感、歯の痛み、関節や背中の痛みなどは、犬によって現れ方が異なります。痛そうな場所を押したり、手元に残っている鎮痛薬を与えたりしないでください。動きや姿勢の変化を記録し、獣医師に相談しましょう。
呼吸器や心臓の問題
パンティングは、通常の静かな呼吸とは異なります。咳、音のする呼吸やゼーゼーする呼吸、疲れやすくなった、状況に合わない口を開けた呼吸、安静時の呼吸が普段より速い、首を伸ばして立つなどのいつもと違う姿勢に注意してください。腹部を使った呼吸、あえぐ、歯ぐきの色がおかしい、ぐったりする、倒れるといった症状は緊急事態です。心臓や肺の病気は初期には気づきにくいこともあります。歯ぐきがピンク色で、症状の合間は落ち着いているように見えても、安静時のパンティングを繰り返す犬は、獣医師による診察を受けてください。
コーネル大学ライニー犬健康センターによると、犬の安静時の呼吸数は通常、1分間におよそ12~30回です。ただし、自宅で一度測っただけでは診断できません。愛犬が落ち着いていてパンティングをしていないときだけ測り、測定方法とそのときの状況を記録して、結果をどう解釈すればよいか獣医師に確認しましょう。呼吸が苦しそう、または愛犬が落ち着けない場合は、測定せずにすぐ相談してください。
内分泌・代謝、薬、加齢に伴う変化
中高齢の犬では、パンティングに加えて、水を飲む量や排尿量の増加、食欲の増加、体型の変化、筋肉の減少、皮膚や被毛の変化、元気の低下、睡眠パターンの変化などが見られる病気が発症することがあります。クッシング症候群もその一例ですが、これらの症状はほかの病気でも起こるため、パンティングだけで判断することはできません。新しく処方された薬、ステロイド、サプリメント、中毒物質への接触、薬の量の変更なども関係する場合があります。動物病院には、製品名、用量、使用した時刻を正確に伝えてください。処方薬は、獣医師に相談せずに中止しないでください。
シニア犬では、痛み、感覚の変化、認知機能の変化、複数の病気が重なっていることもあります。夜に新しいパターンが見られても、「年を取っただけ」と決めつけないでください。子犬は遊んだあと、環境に慣れるまでのストレスがあるとき、または暑いときにパンティングすることがあります。それでも、長く続く、原因がはっきりしないパンティングは、食欲、元気、便、嘔吐、呼吸に変化がある場合はとくに、動物病院へ相談する価値があります。
次にどうするか判断するまでにできること
- 呼吸の様子と歯ぐきの色を確認する 確認のために愛犬を押さえつけないでください。呼吸が苦しそう、音がする、または歯ぐきの色に異常がある場合は、救急診療を受けるためにすぐ出発してください。
- 明らかな暑さや運動を避ける 活動をやめ、涼しく風通しのよい場所へ移します。水を用意し、愛犬が楽な姿勢を自分で選べるようにしてください。体が熱くなった犬を冷やすことは応急処置にはなりますが、原因が暑さだったと証明するものではありません。
- 刺激を減らす 音や人の密集を減らします。慣れた休息場所を使ってもよいですが、離れようとしている犬や痛みがあるかもしれない犬を無理にとどめないでください。
- 症状を記録する 安全にできる場合は、少し離れた場所から短い動画を撮り、時刻、続いた時間、寝ていたか起きていたか、室内の環境、直前の活動、姿勢、咳、嘔吐、食欲、飲水量、排尿、薬、きっかけなどを記録します。動画を撮ったり数えたりするために、救急診療を遅らせないでください。
- 適切な相談先とタイミングを選ぶ 緊急サインがある場合は、今すぐ救急診療を受けてください。緊急サインがなくても、新しく見られた、繰り返す、長く続く、原因がわからないパンティングは、早めに動物病院を受診しましょう。暑さや興奮のあとに明らかに起こった短時間の症状は、愛犬が落ち着いたあとに一度様子を見てもよいでしょう。ただし、再び起こったり、普段の様子と違ったりする場合は相談してください。
獣医師に伝えるための簡単な観察メモ
- いつ始まったか、どのくらい続いたか、以前にも起こったことがあるか。
- 愛犬が寝ていた、起きかけていた、休んでいた、歩いていた、食事中だった、または直前に運動していたか。
- 室温や寝具の変化、天候、音、来客、移動、その他のきっかけ。
- 呼吸音や呼吸の苦しさ、姿勢、咳、鼻水、嘔吐、下痢、元気消失、倒れたかどうか。
- 口を無理に開けず、普段の愛犬の歯ぐきの色と比べた色。
- 食欲、飲水量、排尿、便、動きやすさ、睡眠、過ごしやすさの変化。
- 服用している薬やサプリメント、ノミ・マダニ駆除薬、口にした可能性のある有害物質と、その時刻。
- 撮影によって受診が遅れない場合に限り、短い動画。
夜間のパンティングが緊急事態となるのはどんなとき?
呼吸が苦しそう、あえぐ、胸やお腹を大きく動かして呼吸する、首を伸ばす・普段と違う姿勢で呼吸する、歯ぐきが青色・灰色・紫色・極端に白い、倒れる、ひどくぐったりする、意識がもうろうとする、普段どおりに反応できないといった場合は、すぐに救急動物病院を受診してください。熱中症では、体が熱い、激しいパンティング、よだれ、嘔吐、苦しそうな様子、ふらつき、倒れる、意識を失うといった症状が見られることがあります。お腹が膨れ、何度も吐こうとするのに何も出ない場合も緊急です。中毒の疑い、強い痛み、急激で大きな行動の変化がある場合は、朝まで待ってはいけません。
可能であれば、受診の準備をしながら動物病院に電話してください。車内は涼しく保ち、移動中は静かに過ごせるようにしましょう。愛犬が弱っている場合は、動物病院のスタッフの指示に従って搬送してください。呼吸に苦しさがある犬に口輪をつけたり、人用の薬、精油、残っていた処方薬を与えたりしないでください。呼吸困難かどうか判断できない場合、Cornellは自宅で自己判断せず、助けを求めるよう勧めています。
飼い主からよく寄せられる質問
部屋は涼しいのに、愛犬が夜にパンティングします。どうすればよいですか?
呼吸の苦しさ、歯ぐきの色の異常、元気消失、嘔吐、痛みのサイン、直前の運動、ストレスの原因、薬の変更、その他の新しい症状がないか確認してください。部屋が涼しければ暑さの可能性は低くなりますが、別の原因がわかるわけではありません。パンティングが突然始まった、長く続く、繰り返す、または原因がわからない場合は、獣医師に相談してください。呼吸が苦しそうな場合や危険なサインがある場合は、救急受診を利用してください。
不安で犬が夜にパンティングすることはありますか?
あります。騒音、分離、生活リズムの乱れ、その他のストレス要因によって、パンティングや落ち着きのない歩き回りが見られることがあります。全身のボディランゲージにも注目し、可能であれば原因となる刺激を取り除いてください。不安、痛み、病気は似た症状を示すことがあるため、原因を心の問題だと決めつける前に、頻繁または激しい症状について獣医師に相談しましょう。
パンティングは痛みのサインかもしれませんか?
その可能性はあります。落ち着かない、何度も体勢を変える、震える、足を引きずる、体をかばうような姿勢をとる、特定の場所をなめる、動きたがらないといった様子があれば、判断の手がかりになります。犬は痛みを隠すことがあるため、鳴いていないからといって痛みがないとは限りません。人用の鎮痛薬を与えたり、痛そうな場所を確かめようと触ったりせず、獣医師に相談してください。痛みが強い、または突然現れた場合は、すぐに受診しましょう。
夢を見ているときのパンティングは、普段と違いますか?
睡眠中に一時的に呼吸が変化したり、体が少し動いたりすることはあります。目が覚めた後も続く、パンティングを伴って何度も目を覚ます、呼吸が苦しそう、歯ぐきの色に異常がある、元気がないなどの様子を、夢のせいだと片づけてはいけません。心配な場合は、その様子や安全に撮影できた動画を獣医師に見せてください。
シニア犬が夜にパンティングを始めたら、心配すべきですか?
シニア犬に新しい変化が見られた場合は、注意が必要です。痛み、心臓や呼吸器の病気、内分泌疾患、薬の影響、感覚機能の変化、認知機能の変化などが考えられます。ほかの変化も記録し、獣医師の診察を受けてください。年齢にかかわらず、緊急のサインがある場合は直ちに受診が必要です。
犬に落ち着かせるための商品や人用の薬を与えてもよいですか?
夜間のパンティングに対して、人用の薬、精油、残っていた処方薬を与えないでください。落ち着きをうたう商品を使っても、パンティングの原因はわかりません。また、すべての犬や薬の組み合わせに安全とは限りません。サプリメントや行動ケア用品を使う前に、特にパンティングが新しく始まった場合や病気のサインを伴う場合は、獣医師に相談してください。
獣医師には何を伝えればよいですか?
症状が始まった時期や経過、可能であれば動画、起きた状況、呼吸の様子、歯ぐきの色の変化、食欲や飲水量の変化、排便・排尿の変化、動きや痛みのサイン、既往歴、服用中の薬やサプリメントの一覧を伝えてください。獣医師は診察や検査が必要だと判断することがありますが、どの検査や治療が適切かをこの記事で予測することはできません。
まとめ
夜間のパンティングは手がかりであって、診断そのものではありません。まず呼吸の苦しさや緊急のサインを確認し、そのうえで暑さ、運動、ストレス、痛み、病気、薬、年齢などを状況と合わせて考えましょう。涼しく静かな場所で休ませることで原因となる刺激を和らげられる場合はありますが、その刺激が無害だったと確認できるわけでも、獣医療の代わりになるわけでもありません。パンティングが新しく始まった、長く続く、繰り返す、または愛犬にとって明らかにいつもと違う場合は、獣医師に連絡し、記録した内容を伝えてください。
詳しくは、以下をご覧ください: Cornell Riney Canine Health Centerの呼吸困難に関する案内、 Merckの呼吸器疾患の症状に関する概要、 Merckのクッシング症候群に関する解説、 Merckの緊急時対応ガイド、 AAHAのペットの緊急症状に関する案内、 VCAのストレスサインに関するガイド、および AKCの獣医師インタビューに基づくパンティング解説。これらのリンクは一般的な情報を提供するものであり、獣医師による診察に代わるものではありません。