愛犬の食事を安全に調整する方法

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清潔な室内でシンプルなフードボウルのそばにいるくつろいだ犬

愛犬の食事をカスタマイズするからといって、ゼロから新しいレシピを作る必要はありません。多くの犬にとって、まず選ぶべきなのは、ライフステージに合った総合栄養食です。そのうえで、与える量や食事のリズム、おやつに充てる量、結果の確認方法を調整できます。

症状や診断が関係する場合は、自己判断で試す前に立ち止まりましょう。嘔吐や下痢が続いている、原因不明の体重変化がある、かゆみや耳のトラブルを繰り返す、食欲がない、筋肉が落ちている、腎臓病・糖尿病・膵炎などの病気がある場合は、獣医師と一緒に食事プランを立ててください。療法食や手作り食のレシピを推測だけで決めてはいけません。

愛犬に合わせた栄養管理とは

役立つ栄養管理プランは、目の前にいる愛犬の状態、与えているフード、そして食事や追加の食べ物の与え方という、3種類の情報を結び付けます。 2021年AAHA栄養ガイドライン では、体型、筋肉の状態、ライフステージ、病歴、食事歴、給餌方法を総合的に考えることを勧めています。

こう考えると、流行の食材を追いかけるよりも、ずっと現実的に食事を個別化できます。たとえば、同じフードでも量をより正確に量る、1日のフードの一部をトレーニング用に取り分ける、食事の時間帯を変える、子犬には成長期用のフードを選ぶ、診断された病気に療法食が適しているか獣医師に相談するといった方法があります。

確認する項目 チェックすること 判断に役立つこと
ライフステージ 成長期、成犬期、妊娠・授乳期、シニア期 フードにどの栄養適合性表示があるべきか
現在の状態 体重の推移、体型、筋肉の状態、食欲、便の状態 与える量や治療方針を見直す必要があるかどうか
日々の生活 運動量、トレーニングのごほうび、噛むおやつ、人の食べ物、サプリメント、フードに混ぜて与える薬 主食以外から摂取しているカロリーの量
健康状態の履歴 症状、診断結果、検査結果、これまでの食事への反応 フードを変える前に獣医師の診察を受けるべきかどうか

まずは栄養適合性表示を確認する

フードの袋の表面は、目を引くように作られています。栄養適合性に関する表示には、そのフードが総合栄養食として必要な栄養をすべて含んでいるか、またどのライフステージ向けかが記載されています。 AAFCOのラベルガイド では、「complete」は必要な栄養素が含まれていること、「balanced」はそれらが適切な割合で含まれていることを意味すると説明しています。

味や原材料の説明を比べる前に、まず次の項目を確認しましょう。

  • 栄養適合性: 犬用で、どのライフステージを対象としているかを示す表示を確認します。
  • カロリー: 1kgあたりと、カップや缶など普段使う単位あたりのカロリーを比べます。
  • 給与量の目安: 同じ体重の犬なら誰でも同じ量が必要という保証ではなく、あくまで出発点として参考にしてください。
  • メーカーへの問い合わせ先: 誰がフードを設計しているのか、品質をどのように確認しているのか、完全な栄養分析を入手できるかを問い合わせられるようになっているはずです。
  • 用途: おやつ、トッピング、間欠給餌用または補助給餌用と表示された製品は、毎日の総合栄養食の代わりにはなりません。

また、 WSAVAグローバル栄養リソース でも、原材料リストだけでなく、食事歴、体型や筋肉の状態、客観的な情報を重視しています。

分量を確認しながら犬の食事を準備する飼い主
色鮮やかなボウルに入っているからといって、栄養バランスが整っているとは限りません。まずは総合栄養食を基本にし、そこから愛犬に合わせて調整しましょう。

食事を変える前に基準を作る

まずは数日間、普段どおりの生活の中で、愛犬が口にするものをすべて記録しましょう。主食と正確な量、おやつ、噛むおもちゃ、食卓から与えたもの、デンタルケア製品、サプリメント、味付きの薬、トレーニングに使った食べ物も含めます。食欲、便の状態、嘔吐、かゆみ、耳のトラブル、元気の程度、飲水量、食べ残しも記録してください。

毎回同じ条件で測れるときは、体重も記録しましょう。動物病院で、ボディコンディションと筋肉の状態をどのように評価しているか、獣医師に見せてもらってください。体重計の数値は大切ですが、それだけでは脂肪が増えているのか、筋肉が減っているのか、正常に成長しているのか、体液がたまっているのかまでは分かりません。

基準となる記録があれば、変化によって本当に良くなったのかを判断できます。食事を替え、サプリメントを2種類加え、トッピングを始め、おやつの与え方まで同じ日に変えてしまうと、どの変化が良い影響や不調の原因になったのか分からなくなることがあります。

一度に変えるのは1つだけにする

まずはフードに記載されたカロリー表示と給与量の目安を基準にし、ボディコンディション、体重、健康状態を見ながら調整します。同じ1カップでも、カップの形やフードの詰まり具合によって量は変わります。グラムで量れば、毎日の給与量を再現しやすくなります。

たとえば Precision Pet Food Scoop Scale のようなツールを使うと、ラベルや獣医師と相談して決めたグラム数を毎回量りやすくなります。ただし、愛犬に必要なカロリーを計算したり、病気を診断したり、手作り食の栄養バランスを整えたりするものではありません。

食事の時間と与え方

1日2回、量を測って食べることで調子が良い犬もいれば、年齢や薬、トレーニング、病気に合わせたスケジュールが必要な犬もいます。1日の給与量の一部をトレーニングや適切な給餌器に使えば、数え忘れたカロリーを追加せずに済みます。食事をいくつかの活動に分けて与える場合も、1日の合計量をその都度記録しましょう。

おやつとトッピング

AAHAは、総合栄養食ではない食品から摂るカロリーが1日の摂取カロリーの10%を超えると、栄養上のリスクになるとしています。健康な犬の多くにとって、この上限は目標ではなく、量を管理するための目安です。減量、食物除去試験、膵炎、腎臓病、糖尿病などの病気がある場合は、獣医師からより厳しい基準を示されることがあります。

量を測った総合栄養食と新鮮な水のそばにいる犬
追加したものもすべてカウントします。主食、おやつ、トッピング、噛むおやつ、薬を飲ませるために使った食べ物を、1日の記録にまとめておきましょう。

年齢と活動量:近道をしない

子犬には成長期用のフードが必要です。大型犬の子犬には成長に関する特別な配慮も必要なので、適切な栄養基準の表示があるフードを選び、どの程度の成長速度とボディコンディションを目指すべきか獣医師に相談しましょう。獣医師から必要性と量を指示されていない限り、バランスの整った子犬用フードにカルシウム、フィッシュオイル、一般的なビタミン剤を加えないでください。

健康な成犬には通常、適切なボディコンディションを維持できる量の成犬用フードが必要です。活動量が多い週は消費エネルギーが変わることもありますが、「活動量が多い犬」だからといって、高脂肪・高たんぱくのフードが自動的に必要になるわけではありません。フードを替える前に、実際の運動量、天候、回復の様子、体重の推移、便の状態を確認しましょう。

シニア犬をひとくくりにして考えることはできません。必要なカロリーが少なくなる犬もいれば、体重や筋肉が減り、別の評価や対応が必要になる犬もいます。年齢だけを理由に、たんぱく質を減らしたり、関節用サプリメントを加えたり、すべての犬を同じシニア用フードに替えたりする必要はありません。食欲、歯の状態、ボディコンディション、筋肉の状態、動きやすさ、服薬状況、健康診断の結果を総合的に確認しましょう。

症状や診断がある場合は、別の進め方が必要

食事の変更が治療の一部になることはありますが、症状だけで適切な食事が分かることはほとんどありません。かゆみ、外耳炎、嘔吐、下痢、ガス、便の状態不良、体重変化、食欲低下には、複数の原因が考えられます。

  • 食物アレルギーが疑われる場合: 鶏肉、穀物、または特定の1つの原材料が原因だと決めつけないでください。信頼できる評価には、おやつや味付き製品も含め、獣医師の指導のもとで厳密に行う除去食試験と再負荷試験が必要です。
  • 消化器の不調: 鶏肉とごはんだけでは、長期的に与えられる総合栄養食にはなりません。胃腸の不調を繰り返す場合は、消化のよい食事を次々と試すのではなく、原因を診断してもらいましょう。
  • 体重減少: 栄養素、おやつ、筋肉量、減量のペースを考えずにフードの量だけ減らすと、適切でない計画になることがあります。目標カロリーと経過を確認するスケジュールを獣医師に相談しましょう。
  • 腎臓、尿路、肝臓、膵臓、内分泌、心臓の病気: 必要な栄養素の調整は、診断名や個々の検査結果によって異なります。その病気を管理している獣医師が選んだ食事を与えてください。
  • 関節が気になる場合: 自己判断でオイルやグルコサミンなどの粉末を加えると、カロリーが増えたり、全体の治療計画に影響したりすることがあります。まずは製品、量、目的について獣医師に相談しましょう。

水も飲めないほどの状態、嘔吐や下痢を繰り返す、吐いたものや便に血が混じる、著しく元気がない、突然食べなくなった、飲水量・排尿・体重に原因不明の変化がある場合は、早めに動物病院を受診してください。

手作り食には完全なレシピが必要

肉、野菜、穀物、オイルは健康的に見えても、必須栄養素が不足したり、逆に過剰になったりすることがあります。AAHAによると、書籍やウェブサイトに掲載されたレシピを調査した結果、その多くは総合栄養食として必要な栄養バランスを満たしていませんでした。毎食手作りしたい場合は、獣医栄養学の専門医が愛犬のために作成したレシピを使い、指定されたサプリメントや調理方法も含めて、内容を正確に守ってください。

原材料を別のものに替えたり、サプリメントを省いたり、短期間の消化のよい食事を見直しなしに毎日の食事へ変えたりしないでください。当店の 手作り犬ごはんの安全ガイド では、総合栄養食に必要な基準、獣医師によるレシピ作成、食品の取り扱い、レシピを正確に守ることが、どのように関わるのかを解説しています。

ボウルの中身だけでなく、食事プラン全体を確認しましょう

食事プランは、確認できてこそ役立ちます。 ペット栄養アライアンスのプランニングガイド では、フードの種類や量を、必要な栄養素の目標とボディコンディションに結び付けて考えます。どのような状態を目指すのか、いつ見直すのかをあらかじめ決めておきましょう。

食事の習慣を変えるときは、次のような項目を毎回同じように記録しましょう。

  • フード名、味、ロット情報
  • 与えた量(グラムまたは缶数)と残した量
  • おやつ、噛むおもちゃ、トッピング、サプリメント、薬を飲ませるためのフード
  • 食欲、便、嘔吐、皮膚、耳、元気、飲水量
  • 適切な間隔で測った体重と、ボディコンディションおよび筋肉の状態

フードを切り替える必要がある場合は、メーカーまたは獣医師が示す切り替え方法に従いましょう。消化器が敏感な犬や療法食を食べている犬には、個別の切り替えスケジュールが必要になることがあります。 コーネル大学獣医学部による犬の食事を見直すためのガイド でも、栄養バランスの整った食事、段階的な変更、そして消化のよい食事が繰り返し必要になる場合は原因を調べることの重要性が強調されています。

自宅で計量した食事を新鮮な水のそばで食べる犬
毎回同じ量を与え、短い観察記録をつけておくと、食事プランについて獣医療チームに相談しやすくなります。

動物病院で相談したいこと

  • 愛犬には、どのようなボディコンディションと筋肉の状態を目指すのが適切ですか?
  • 今のフードは、このライフステージに適した総合栄養食ですか?
  • 1日のカロリーのうち、主食、おやつ、薬を飲ませるためのフードから摂る量はそれぞれどのくらいにすべきですか?
  • この症状や診断には、療法食や追加の検査が必要ですか?
  • まずどの点を変えるべきですか?また、何を記録すればよいですか?
  • 体重、ボディコンディション、症状、検査結果は、いつ再確認すべきですか?

よくある質問

愛犬のいつものフードに手作りの食材を加えてもよいですか?

健康状態に問題がない犬であれば、少量の追加分をおやつやトッピングとして与える範囲に収められる場合があります。追加分のカロリーも計算し、栄養の基本は総合栄養食で整えましょう。子犬や持病のある犬では、別の考え方が必要になることがあります。

活動量の多い犬は、必ずたんぱく質や脂肪を多く与えるべきですか?

必ずしもそうとは限りません。活動の種類や時間、気候、ボディコンディション、回復の様子、現在のフードなど、さまざまな要素が関係します。まずは実際の体重と状態の変化を確認し、現在の食事プランでは活動量に対応できないと判断される場合に、フードの変更について相談しましょう。

皮膚をかゆがる犬には、グレインフリーのフードのほうがよいですか?

一概にはいえません。かゆみや耳のトラブルにはさまざまな原因があり、グレインフリーと表示されたフードを選んだだけで食物アレルギーが確認できるわけではありません。獣医師に、食事を限定して反応を確認する除去食と負荷試験の計画が適切か相談しましょう。

愛犬にはどのくらいの量のフードを与えればよいですか?

パッケージの給与量は、あくまで目安です。適切な量は、カロリー密度、ライフステージ、ボディコンディション、活動量、おやつ、健康状態によっても変わります。決めた量を毎回正確に計量し、体重や状態の変化を見ながら調整しましょう。

愛犬のために手作り食を用意できますか?

可能ですが、毎日の主食として手作り食を与える場合は、獣医栄養学の専門資格を持つ獣医師に愛犬に合わせて作ってもらいましょう。完成したレシピには正確に従ってください。食材の置き換えやサプリメントの不足によって、栄養バランスが変わることがあります。

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